SEMICONDUCTOR ATLAS

先端パッケージ・チップレット・HBM:つなぎ方が性能を決める

後工程・実装

一枚の大きなダイだけで機能を増やす代わりに、複数のダイを短く高密度に接続する。演算、メモリ、入出力をどう分け、どう組み合わせるかが設計と製造の共通課題になる。

  1. 機能分割と熱・電力・接続を設計
  2. 各ダイを製造し検査
  3. HBM等を積層・検査
  4. 中間配線・基板へ接合
  5. 封止・放熱部材を組み付け
  6. パッケージとシステムの検査
01 初歩から理解する

チップレットとSiP

チップレットは機能を分割した小さなダイを組み合わせてシステムを構成する考え方。製造世代を機能ごとに選べる反面、接続回路、電力、設計検証の負担が増える。SiPは複数の半導体や受動部品を一つのパッケージへまとめる、より広い実装概念である。

2.5Dと3Dを描き分ける

2.5Dでは複数ダイを高密度配線を持つ中間層上に横並びに置く代表的構造がある。3Dではダイを縦方向に接続する。TSMCのCoWoS、InFO、SoICは同社の技術群の名称であり、業界すべての実装を意味する一般名ではない。

HBMの中と外は別工程

HBMはDRAMダイを積層し、多数の接続によって広いデータ帯域を得るメモリ。メモリメーカー等がHBMスタックを作る工程と、そのHBMをGPU等と組み合わせる工程は別である。HBM増産とGPU側パッケージ増産で設備・材料の受益先は異なる。

積層の方法は一つではない

接合・封止にはメーカーや世代に応じた選択がある。SK hynixが説明するMR-MUFとTC-NCFは、熱の与え方や樹脂の扱いが異なる。HBMの数量成長から特定ボンダやフィルムの使用量を一律に推計するには、対象製品の工程確認が要る。

良品ダイを集める価値

複数の高価なダイを最後に組み合わせた後で不良が分かると、それまでの製造価値を失う可能性がある。事前の検査、接合品質、熱設計、完成後の検査を一体で考える。ダイ単体の歩留まり改善だけではパッケージ全体の良品数は決まらない。

02 業績分析へ進む

売上は何で決まるか

演算需要からチップ個数、搭載HBM数、パッケージ面積、接続方式を順に分解する。装置・材料・OSATの売上は同じ市場成長率では動かず、どの工程が追加されるかが重要。

費用と利益の構造

複数ダイ、基板、中間配線、接合、検査、冷却が加算される。機能分割によるダイ製造費の低下を、接続と検査の追加コストが相殺する場合もある。

競争優位を見る

設計ルール、材料、接合、テストを実製品で成立させる統合能力。個別工程の最高性能だけでは代替可能性を決められない。

サイクルと時間差

研究発表、試作、顧客認定、量産立上げ、良品能力拡大の順に進む。供給制約が基板からHBM、接合、テストへ移ると投資先も変わる。

確認するKPI

  • 認定済み良品能力
  • HBMの世代・積層数
  • パッケージ面積とI/O
  • 工程別歩留まり・サイクル時間
03 誤解しやすい点・取材の問い

読み違えやすいこと

  • CoWoS需要をすべてのOSATへ等しく割り振らない
  • パネル面積やウエハ投入能力をそのまま良品出荷個数にしない
  • HBM世代名だけでは接合装置方式を特定できない

確認したい問い

  • 真の制約はダイ、HBM、基板、接合、検査のどこか
  • 能力値は面積・投入・良品のどれか
  • 新方式の顧客評価が量産へ移ったか
  • 接合方式別の量産認定
  • 良品能力と実際の出荷差
  • HBMと演算ダイの供給同期
出典 ASE · 公式資料ASE · 公式資料TSMC · 公式資料SK hynix · 2024-07-30Nepes · 公式資料Applied Materials · 2025-09-16

初歩の説明は技術・事業の一般的な仕組みです。業績分析の欄は分析上の着眼点であり、個社の感応度を保証するものではありません。

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