SEMICONDUCTOR ATLAS

IDM・ファブレス・ファウンドリ:会社の役割を分ける

製造・デバイス

半導体の種類と、誰が設計・製造・販売するかは別の軸。同じ製品でも担当企業の組合せが変わり、同じ企業が複数の役割を持つ。

  1. 最終用途の仕様を決める
  2. 製品設計とEDA/IP利用
  3. 内製またはファウンドリへ製造委託
  4. 内製またはOSATで実装・検査
  5. 製品を直販・代理店経由で供給
01 初歩から理解する

半導体製品と製造サービスの違い

CPUや電源ICの売り手は、製品の機能や仕様を決めて顧客へ販売する。ファウンドリは顧客の設計を受け取り、回路をウエハ上に作る製造サービスを提供する。両者が同じチップに関わっても、認識する売上は同一ではない。

IDMは何を内製する会社か

IDMは設計と製造の両方を持つ半導体メーカー。TI、ST、ルネサスなどが例になる。ただし全製品・全工程を自社で行うとは限らず、製品や世代に応じて外部の前工程・後工程を利用する。内製率は企業名ではなく製品・工程ごとに調べる。

ファブレスの設備負担はゼロではない

ファブレスは主に製造工場を自社保有せず、設計・販売に集中する。研究開発、人材、EDA・IP、試作費、製造能力の前払いなどは必要になる。工場を持たないことと、資金負担が軽いことは同義ではない。

共同製造・システム内製という形

KioxiaとSandiskのように共同開発・製造を行い、各社が製品を販売する形もある。デンソーは車載システムの供給者であり半導体の買い手でもあるが、ASICやパワー半導体を内製する。二択の分類だけでは実態を失う。

物と契約の流れは一致しない

工場からOSATへウエハが直接送られても、契約上の購入者は設計企業である場合がある。代理店を通じた販売もある。物理的な移動、請求先、最終機器への採用、資本関係を別の線で読むことが全体図の基本になる。

02 業績分析へ進む

売上は何で決まるか

製品企業は概ね出荷数量×製品単価、ファウンドリは加工ウエハ量×プロセス単価と関連サービスで考える。IDMの内部製造売上やJVの生産額を、最終製品企業の売上と足し合わせると同じ価値を重複計上し得る。

費用と利益の構造

内製では工場の減価償却・保守・人員・歩留まりが採算に効く。外注ではウエハ価格・能力予約・最低購入条項等が重要になる。資産の重さだけで利益の安定性を判断しない。

競争優位を見る

製品設計と製造を結ぶ技術、顧客ソフト・認定、供給の確実性など、どこに切替負担があるかを特定する。

サイクルと時間差

顧客の在庫調整が外注発注に先に表れる場合、製品企業と工場の売上は同時に動かない。内製・外注比率の変更も上流企業への需要波及を変える。

確認するKPI

  • 製品別の内製・外注範囲
  • 研究開発費と量産開始の時間差
  • 内部取引を除く外販売上
03 誤解しやすい点・取材の問い

読み違えやすいこと

  • IDMなら外注しない
  • メモリメーカーはすべて同じ製造保有形態
  • 出資比率は購入比率を表す

確認したい問い

  • 製品ごとに、性能差を作る工程をどこまで内製する必要があるか
  • 受注減に対して内製減産と外注削減をどの順に行うか
  • 新しいJV・能力予約
  • 製品部門と製造部門の開示変更
  • 事業譲渡・法人再編
出典 Texas Instruments · 公式資料Renesas · 公式資料NXP / VIS · 2024-06-05Kioxia / Sandisk · 2026-01-29デンソー · 公式資料

初歩の説明は技術・事業の一般的な仕組みです。業績分析の欄は分析上の着眼点であり、個社の感応度を保証するものではありません。

この工程に関わる企業

日本東証:6963

ローム

Si・SiC・GaNパワー・電源IC・ゲートドライバ

米国NASDAQ:INTC

Intel

CPU・先端プロセス・先端パッケージ

オランダNASDAQ:NXPI

NXP Semiconductors

車載MCU・プロセッサ・通信・RF・アナログ

欧州NYSE:STM / Euronext:STMPA

STMicroelectronics

STM32 MCU・Si・SiCパワー・慣性・環境センサー

韓国KRX:005930

Samsung Electronics

DRAM・HBM・NAND・ロジック受託・CMOSイメージセンサー

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