SEMICONDUCTOR ATLAS

結晶成長からウエハへ:高純度原料・引上げ・研磨

ウエハ・材料

ウエハの品質は表面を磨くだけでは決まらない。結晶を作る最初の段階から、電気特性と欠陥の制御が始まる。

  1. 高純度多結晶シリコン
  2. 単結晶成長
  3. 外周加工・スライス
  4. 研削・エッチング
  5. 精密研磨
  6. 洗浄・検査
  7. 必要に応じてエピ・アニール
01 初歩から理解する

多結晶と単結晶

多結晶シリコンは高純度の原料で、原子の向きが異なる小さな結晶が集まっている。ウエハ向けには、これを一方向に規則正しく並んだ単結晶へ成長させる。トクヤマ、Wacker、Hemlockなどの原料供給と、SUMCO等のウエハ加工を分けて考える。

結晶を引き上げる

CZ法は原料を溶かし、種結晶を接触させて回転しながら引き上げる。径や温度を制御するほか、ごく少量の元素を意図的に加えて抵抗率を調整する。不要な汚染を減らすことと、電気特性を作る添加は矛盾しない。磁場を使う方法や、るつぼを使わないFZ法もある。

切断の後にも多くの加工がある

インゴットを薄く切るだけでは表面に傷や厚さのばらつきが残る。厚さ調整、化学的な損傷層除去、研磨、洗浄、検査を重ねる。切断で失う材料、加工中の不良、顧客仕様を満たさない部分は、原料投入から販売可能な面積への歩留まりを下げる。

平坦さと清浄さが必要な理由

後で形成する微細な回路に比べて表面の起伏や粒子が大きければ、露光や成膜の条件を保てない。純度という一つの数字だけでなく、平坦性、結晶欠陥、粒子、金属汚染など多項目を測る。検査装置と分析能力も量産能力の一部になる。

02 業績分析へ進む

売上は何で決まるか

原料メーカーは半導体級ポリシリコンの供給、ウエハメーカーは加工後の良品販売で収益を得る。原料購入数量と販売面積の差には歩留まりがある。太陽電池用のポリシリコン価格を半導体級へ機械的に適用しない。

費用と利益の構造

高温工程と精製に加え、長時間の結晶成長、切断ロス、研磨・検査の費用がかかる。ボトルネックが一つの工程から別の工程へ移るため、総設備台数だけでは能力を測れない。

競争優位を見る

結晶欠陥を制御し、加工後も顧客仕様を満たす良品を再現する技術。高純度原料から容器・加工・洗浄までの一貫した汚染管理。

サイクルと時間差

需要増で既存設備の稼働が上がる局面は利益が改善しやすい。一方、新設設備は認定・習熟の期間があり、会社全体の出荷増と増益がずれることがある。

確認するKPI

  • 原料→良品ウエハの歩留まり
  • 結晶成長装置・加工・検査の稼働
  • 半導体グレード認定能力
  • 電力費・償却費
03 誤解しやすい点・取材の問い

読み違えやすいこと

  • ポリシリコンの純度が高ければすべてのウエハ用途にすぐ使えるわけではない。
  • 設備の完成は、顧客認定済み良品能力の完成と同じではない。

確認したい問い

  • 増強の制約は結晶・加工・検査のどこか
  • 良品率の改善余地はどの工程に残るか
  • 新工場で既存工場と同じ認定を得るまで何が必要か
  • 原料の長期契約
  • エネルギー費
  • 新工場の稼働・認定
  • 研磨・検査装置の増設
出典 SUMCO · 公式資料トクヤマ · 公式資料Wacker Chemie · 公式資料Hemlock Semiconductor · 公式資料フジミインコーポレーテッド · 公式資料

初歩の説明は技術・事業の一般的な仕組みです。業績分析の欄は分析上の着眼点であり、個社の感応度を保証するものではありません。

この工程に関わる企業

日本東証:3436

SUMCO

シリコン研磨ウエハ・エピウエハ・アニールウエハ・SOI

日本東証:4043

トクヤマ

半導体用多結晶シリコン・高純度IPA

日本東証:4063

信越化学工業

シリコンウエハ・フォトレジスト・マスクブランクス・合成石英

韓国非上場

SK siltron

シリコン研磨・エピウエハ・SiC基板・エピウエハ

ドイツXetra:WAF

Siltronic

シリコン研磨ウエハ・エピウエハ

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