SEMICONDUCTOR ATLAS

取引・依存度・競争優位を読み違えない

はじめに

線でつながっていることと、売上・利益が大きく連動することを分けて考える。

  1. 相手先・製品を特定
  2. 契約/認定/量産を区別
  3. 期間と分母を確認
  4. 業績への波及条件を検討
01 初歩から理解する

取引額には対象期間がある

年間の売上、複数年の購入契約、顧客からの前受金、工場への出資は別の数字である。例えば『5年間で100』という契約を当年の売上100とは扱えないし、単純に毎年20とするには納入日程を確かめる必要がある。本サイトでは、金額に対象期間・指標・範囲を併記する。

依存は一方向とは限らない

A社の売上の30%がB社向けでも、B社の調達の30%をA社が占めるとは限らない。前者はA社の顧客集中、後者はB社の供給先集中で、分母が違う。大きな顧客に採用されていても、その企業の売上全体への寄与が小さい場合がある。

提携から量産までには段階がある

共同研究、設計対応、工程認定、試作、量産採用、継続的な大口出荷を区別する。認定済みであっても、すべての工場や製品に採用されるとは限らない。表彰やアライアンス参加は関係の存在を裏付けても、購入金額や独占供給まで証明するものではない。

強さを一つの点数にしない

このサイトでは取引規模、顧客依存、切替難度、採用段階、契約の時間軸を個別に読む。単なる太い線や総合点が、根拠のない確信を与えないようにする。非開示はゼロではなく、関係の線がないことも取引がない証拠ではない。

02 業績分析へ進む

売上は何で決まるか

定量値は原資料の意味を保つ。売上感応度を計算できるのは、対象事業・顧客構成・数量単価の関係が分かる場合に限る。

費用と利益の構造

顧客の増産対応で先行費用や新工場償却が増えると、売上増加と利益増加の時期がずれる。

競争優位を見る

切替の際に顧客が負担する再認定、歩留まり低下、設計変更、供給継続のリスクを具体化する。

サイクルと時間差

契約時、装置納入時、認定時、量産時に評価を更新する。過去に結んだ契約が現在も同じ条件で続くと仮定しない。

確認するKPI

  • 最大顧客比率と顧客別の分母
  • 採用段階・認定拠点・契約期間
  • 設備投資と当期売上の区別
03 誤解しやすい点・取材の問い

読み違えやすいこと

  • 匿名顧客の比率だけで実名を断定する。
  • 将来契約総額を当年の売上とする。
  • 出資や技術提携を商品購入と同じ線で表す。

確認したい問い

  • 採用は特定製品・工場に限られるか、他へ展開できるか。
  • 他社への切替で顧客が失う時間や歩留まりはどこに表れるか。
  • この章の30%や5年間100という数字は、読み方を説明する仮例。特定企業の事実ではない。

初歩の説明は技術・事業の一般的な仕組みです。業績分析の欄は分析上の着眼点であり、個社の感応度を保証するものではありません。

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