SEMICONDUCTOR ATLAS

数量・単価・歩留まりから利益へつなぐ

はじめに

成長率を一つ置く前に、売上と費用が何で変わるかを分解する。数値は学習用の仮例。

  1. 製品別数量×単価
  2. 製品構成・歩留まり
  3. 変動費と固定費
  4. 認定・償却・在庫の時期
  5. 営業利益とCF
01 初歩から理解する

売上は何を何個売ったか

単一製品の簡略式は売上=販売数量×平均単価である。複数製品では製品別に積み上げる。ウエハ枚数が同じでも、先端品の構成、工程の難しさ、パッケージの種類によって売上は変わる。メモリのビット出荷とウエハ枚数も同じ数量ではない。

歩留まりは良品の割合

作ったもののうち販売可能な良品の割合を歩留まりという。一定の投入から良品が増えれば、良品一個に配賦する加工費が下がる。ただし欠陥密度だけでなく、設計・装置調整・材料・組立などの要因があるため、会社横断で一つの歩留まりを置かない。

固定費があると利益の変化が大きい

仮に売上100、数量に比例する変動費60、固定費30なら営業利益は10。単価と一個当たり変動費が同じで数量が10%増えると、売上110、変動費66、固定費30、利益14となる。売上10%増に対し利益40%増だが、これは追加能力や費用が不要という仮定の結果である。

増設後は逆のことも起きる

同じ数量増でも、新工場の償却・立上げ費用で固定費が30から35へ増えるなら利益は9になる。設備投資額、設備の稼働開始、減価償却、稼働率、顧客認定を別々に置かなければならない。材料企業の増産能力も、装置企業の顧客受注残も、すぐに利益へ変わるとは限らない。

02 業績分析へ進む

売上は何で決まるか

会社ごとに数量の単位を決め、価格・構成・為替を分ける。成長市場の伸び率をそのまま自社売上に掛けず、採用・供給能力・シェアの条件を確かめる。

費用と利益の構造

変動費と固定費は期間と能力の範囲で変わる。材料価格、外注費、人員、電力、保守費用、研究開発費を機械的に固定比率へまとめない。

競争優位を見る

高い価格が維持できる理由と、顧客側にも経済価値があるかを確認する。性能だけでなく歩留まりや検査時間の改善も価値になる。

サイクルと時間差

投資の発注・受注・納入・検収・償却開始がずれる。売上と利益に加えて運転資金と現金支出を確認する。

確認するKPI

  • 製品・工程別の数量と平均単価
  • 設備稼働率、減価償却、立上げ費用
  • 良品率・在庫日数・設備投資・営業CF
03 誤解しやすい点・取材の問い

読み違えやすいこと

  • 売上増加率だけで利益の成長を決める。
  • 稼働率上昇の利益効果と、増設による償却増を相殺せずに置く。
  • EBITDAが黒字なら投資資金も回収できているとみなす。

確認したい問い

  • 新能力のうち、顧客認定と量産立上げが済んだ割合はどれほどか。
  • 単価・数量・製品構成・費用のうち、会社計画を左右する最大の変数は何か。
  • 以下の計算欄は学習用であり、掲載企業の業績予想や投資判断用モデルではない。

数量と固定費を変えてみる

学習用の仮例:基準売上100・変動費60・固定費30。金額は指数で、会社予想ではありません。

売上100.0
変動費60.0
固定費30.0
営業利益10.0

単価・一個当たり変動費は一定、数量の増加に必要な追加投資・在庫変化・税金は未考慮。操作は端末内だけで行います。

初歩の説明は技術・事業の一般的な仕組みです。業績分析の欄は分析上の着眼点であり、個社の感応度を保証するものではありません。

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